名ばかり管理職の残業代問題、判例、厚生労働省通達について

名ばかり管理職の残業代問題の判例、厚生労働省通達について

飲食チェーン店、コンビニなどの店長が過酷な労働を
課せられ、時間に換算すると、店長になる前よりも、
給料(賃金)の額が減り、大変な思いをしているという話を
耳にしたことがあるかもしれません。

 

今回は、そういった「名ばかり管理職」の問題について
説明します。

 

「名ばかり管理職」とは

「名ばかり管理職」とは、文字通り、実態としては、
単に労務の提供、労務管理の
一旦を担っているにすぎない者に、名ばかりの「管理職」という位置づけにし、
残業代を支払われない労働者のことをいいます。

 

なお、「名ばかり管理職」という言葉は労働基準法上、
明確に定義されているわけではなく、
便宜上の言葉とお考えください。

 

また、「管理職」という言葉も、労働基準法上、
明確に定義されているわけではなく、解釈も明確なものとはなっていません。
労働基準法は、
監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)、
または機密の事務を取り扱う者は
労働時間、休憩、休日についての規定を適用しないと定めています。

 

どのような者が「管理監督者」に当てはまるか

どのような者が「管理監督者」に当てはまるかという点ですが、
労働基準法には明確な規定がなく、
1988年に労働省(当時)から出された通達の
「部長や工場長など労働条件の決定や
その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある者で
名称にとらわれず、実態に即して判断すべきもの」
解釈がその後の判例にも踏襲され、一応の基準となっています。

 

「管理監督者」に該当するか否かのポイント

最高裁による解釈はいまだ存在しませんが、
地裁の判例を参考にすると、
「管理監督者」に該当するか否かのポイントとしては、

 

・職務内容、権限、責任において、労務管理など
企業全体の事業経営に関する重要事項に関与の有無

 

・勤務態様に労働時間に関する自由裁量の有無

 

・賃金(基本給、役職手当、一時金)においての優遇の有無

 

ということで判断されるのが妥当と解されています。

 

大手飲食店やコンビニなどの「店長」の肩書きで、
実態は管理職と呼べない待遇にも関わらず、
残業代が支払われない状況が頻出し、
「名ばかり管理職」の呼び名で取りざたされた
この肩書の問題ですが、肩書を隠れ蓑にして、労働者を酷使するのではなく、
法律の問題を抜きにしても実態に伴った評価、肩書、待遇をし、
使用者と労働者で信頼と敬意をもった職場環境を作ることを念頭に
努力することが肝要かと思われます。

 

「管理職」に該当するか否かや、
適切な扱いについて疑問の場合は、
弁護士、社会保険労務士といった専門家に
相談をしてみるとよいでしょう。

 

 

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