賃金、給料を預金口座などへ振込みでするための要件

賃金、給料を預金口座などへ振込みでするための要件

現代において、賃金(給料)の支払われ方は、
給料袋に入った現金でもらっているという人よりも、
銀行などの預金口座に振込みで支払われているという方が
一般的な印象がある方が多いと思いますが、
実は、当然に振込みによる賃金(給料)の支払いが
できるわけではありません。

 

今回は、労働基準法の規定、行政解釈も踏まえ、
賃金、給料を預金口座などへ振込みでするための要件
について説明します。

 

賃金の支払い方法について、労働基準法に定めがあり、
原則として、賃金は「直接」支払わなければならないことになっています。

 

ただし、一定の要件を満たすことで、
賃金を労働者の預金口座に振込みで支払うことが可能です。
振込の方が使用者、労働者双方にとって利便性が高い場合が
多いでしょうし、現在は大多数の企業が振込みで
賃金の支払いを行っていることと思いますが、
これは当然にできることではなく、
一定要件を満たすことでできることですので、
注意しましょう。

 

なお、振込み手数料ですが、これを労働者の賃金から差し引いて、
賃金を支払うことは、労働基準法および民法の規定に反し、
違法となります。

 

賃金の口座振込みについての要件

賃金の口座振込みについての要件は次のとおりです。
1.口座振込み等は、書面による個々の労働者の申し出又は
同意により開始し、その書面には以下の事項を記載すること。

 

@口座振込み等を希望する賃金の範囲及びその金額
A労働者の指定する金融機関等の店舗名ならびに
預貯金等の種類及び口座番号
B口座振込み等の開始希望時期

 

2.口座振込み等を行う事業場の労働者の過半数で組織する労働組合
(労働組合がない場合は労働者の過半数の代表者)と、
以下の事項を記載した書面による協定を締結すること。
@口座振込み等の対象となる労働者の範囲
A口座振込等の対象となる賃金の範囲及びその金額
B取り扱い金融機関及び取扱い証券会社の範囲
C口座振込等の実施開始時期

 

3.使用者は、口座振込み等の対象となっている個々の労働者に対し、
所定の賃金支払日に、次に掲げる金額等を記載した
賃金の支払いに関する計算書(明細書等)を交付すること。

 

@基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
A源泉徴収税、労働者が負担すべき社会保険料額等賃金から控除した
金額がある場合には、その事項ごとにその金額
B口座振込み等を行った金額

 

4.口座振込み等がなされた賃金は、
所定の賃金支払日の午前10時ごろまでに払い出し又は払い戻しが可能となっていること。

 

5..取扱い金融機関及び取扱い証券会社は、
金融機関又は証券会社の所在状況等からして
1行・1社に限定せず複数とする等労働者の便宜に十分配慮して定めること。

 

6.使用者は、証券総合口座への賃金払込みを行おうとする場合には、
当該証券総合口座への賃金払込みを求める
労働者又は証券総合口座を取扱う証券会社から
投資信託約款及び投資約款の写しを得て、
当該証券会社の口座が「MRF」(マネー・リザーブ・ファンド)により
運用される証券総合口座であることを確認のうえ払込み等を行うものであること。
また、使用者が労働者等から得た
当該投資信託約款及び投資約款の写しについては、
当該払込みを継続する期間中保管すること。

 

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